2024年も補助金を活用して断熱窓を取付けできます。
昨年はおかげさまで、窓工房では236件の補助金申請をさせていただきました。
多い方では、総額75万円の内窓設置で、52万円もの補助金を獲得できた方もいます。
今年は少し補助額は下がる傾向ではありますが、
それでも、断熱窓のリフォームをして補助金を申請すれば、
かなりの額が補助されますので、この機会に是非 ご検討くだされば幸いです。
それでは、今年度の補助金について、解説していきます。
補助金の名称は?
名称は『先進的窓リノベ2024事業』
昨年の2月頃に、突如現れて業界に激震が走ったのを覚えています。
窓は今まで脇役でしたが、二酸化炭素の削減のために、断熱窓に重点的に補助金が出されることになり、
その時に、「先進的窓リノベ事業」という言葉が誕生しました。
この時に、経済産業省と環境省は、
「先進的な断熱性能の窓に交換するリフォームに対して、高い補助額で重点的に支援を行います。」
と言い切っています。
今年も、この支援が継続されるということです。
なぜ国は高断熱の窓リフォームに補助金を出すのでしょうか
断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、
『エネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現及び家庭からのCO2排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長を実現する。』
と公表しています。
簡単にいうと、
内窓などの断熱窓を新たに取り付けると
部屋が魔法瓶のようになって
灯油代とか電気代とか大幅に減れば、
温室効果ガスの排出を抑えられるから
補助金を出すというわけです。
一般家庭から排出される二酸化炭素の量は、国全体の20%くらいと言われています。
その中でも戸建住宅では、窓から逃げる熱の割合は半分を占めるとも言われており、
私たち開口部業者も 工事を通して貢献していきます。
どうすると補助金がもらえるのでしょうか
その家に住んでいて所有している方が、私たち窓工房のような工事業者に工事を依頼して、登録されている内窓などの断熱窓を設置すれば補助金の申請ができます。
自分で材料を買って、自分で(DIYで)取り付けて、お客様ご自身が申請することができません。
自分の持ち物で自分が住んでいる家を、業者にお願いして内窓を取り付ける必要がでてきます。
○ 自分の家を窓工事業者に内窓を取り付けてもらう
× 自分の家を ネットで商品だけ買って自分で取り付ける
断熱窓の補助金申請は3つの中から選べます。
ガラス交換 (今ある窓のガラスだけを交換する)
今あるガラスを真空ガラススペーシアなどの断熱ガラスに交換する工法です。
窓の枠は交換しませんので、そのままになります。
こちらは、今年度も補助金申請の対象商品に入っていますが、
ほとんどの方が活用できないとお考え下さい。
というのも、今の窓枠が一般的なアルミサッシは対象不可となっているからです。
今の窓枠がプラスチック製(いわゆる樹脂製)であれば対象になります。
これはなぜかというと、アルミの枠から熱が逃げてしまうから、
ここもちゃんとしたものでないと補助金は出せないですよ。ということになります。
お客様の窓の枠が、アルミ製ではなく、樹脂製であれば、対象になります。
そのため窓工房では、昨年度は『先進的窓リノベ事業』の補助金を使っての申請はほとんど行いませんでした。全体の3%くらいでした。
どうしても、内窓が嫌だという方には、
『子育てエコホーム支援事業』をご提案しています。
補助率は少し下がりますが、こちらでも補助金申請ができます。
外窓交換 (今ある窓をそっくり交換する)
次に今ある窓を入れ替える方法になります。
こちらは、ガラス交換や内窓の設置と比べると
少し大掛かりな工事になります。
窓工房では、カバー工法という施工方法を採用しています。
労力でいうと、内窓を10つけるのと同じくらいの手間暇がかかります。
今あるアルミの枠も、全て樹脂製の窓に変わり、中に組み込まれるガラスも断熱ガラスとなりますので、補助金申請の対象になります。
昨年度は、外窓の交換での申請は、全体の10%くらいでした。
内窓設置 (今ある窓の手前にもう一つ窓を取り付ける)
いわゆる、内窓や二重窓と言われる窓を新しく取り付けるという方法になります。
一番人気で窓工房が最もおすすめしている施工方法になります。
お手軽に工事ができるからです。
ただし、お客様の中には窓が二重になることに抵抗のある方もいらっしゃいます。
窓のレールが2つつくから、
掃除が面倒そう。出入りが多い窓だから、生活が不便になるのではないだろうか。
そのような方は、1番目の外窓をそっくり交換する方法を選ばれています。
そうは言っても、やはりお手軽に設置できる二重窓は断熱窓リフォームにおいては絶大な人気のため、
「補助金を使って、断熱窓リフォームをする」
と言ったら、「それは内窓の設置!」 と考えていただいてもいいくらいで、
日本全体で見ても、「先進的窓リノベ事業」の補助金活用のほとんどが
内窓の設置でした。
窓工房で見ると、内窓の設置件数は、
昨年度は全体の90%以上だったと思います。
どのように補助金の額が決まるのでしょうか?
それでは具体的に、どんな工事をするとどれだけ補助金がもらえるのか解説していきます。
もらえる補助金は、3つの要素で決定されます。
『施工方法』×『窓の種類』×『窓の大きさ』
『施工方法』には、ガラス交換、内窓設置、外窓交換の3種類があります。
ほとんどの方が、二番目の「内窓設置」になるかと思いますので、
ここからは、内窓設置で 話を進めていきたいと思います。
内窓設置の場合だといくらの補助金がもらえるのか
それでは、『内窓設置』で解説していきます。
『内窓の種類』×『窓の大きさ』 で補助金の額が決まります。
『内窓の種類』とは、内窓に組み込む断熱ガラスの性能値でランク付けされます。
残念なのは、高気密な内窓(北海道仕様の内窓)を使っても、
(施工込みで)ホームセンターで発売されている内窓をお願いしても、補助額は同じなんです。
断熱化には内窓の気密性能がとても大事なので、高気密な内窓を使えば、それだけ多くの補助金がもらえるのが理想ですが、
今年度も、内窓メーカーの製品では差をつけず、
組み込まれるガラスが高断熱なのか、かなり高断熱なのか、超がつくほどの高断熱タイプなのかで、
補助額が大きく異なってきます。
また、リクシルやYKKAP、大信工業といった窓枠メーカーが登録していないガラスの組み合わせだと、
どんなにいい断熱ガラスを組み込んでも、今年度も補助金の対象にはならないと思われます。
例えば、真空ガラスは断熱ガラスの中でも最高峰にランクインされますが、
真空ガラス「スペーシア静」は、更に断熱性能が高いガラスではあっても、この組み合わせでは補助金申請は今年度もできないはずです。
内窓メーカーが今年度も恐らく登録しないからです。
内窓に使うガラスで補助金が変わる
話した通り、内窓に使うガラスの種類で、もらえる補助金の額が異なります。
熱貫流率という数字で、区分けをしていますが、
厚さ5mmの板ガラスだけでなく、普通のペアガラスでも、対象外となっています。
最低ランク(A)で、Low-E複層ガラス(特殊金属膜と言われるLow-e膜がコーティングされているペアガラス)
となっており、
中ランク(S)ですと、アルゴンガスが注入されている Low-E複層ガラス
となっています。
最高ランク(SS)で、真空ガラス「スペーシアクール」
スペーシアシリーズの中でも、断熱性能値が更に高い真空ガラスとなります。
これ以外のガラスでも対応できるはずですが、
窓工房ではこのような提案になることが多いです。
最高ランク(SS)→真空ガラス「スペーシアクール」
中ランク(S)→アルゴンガス入り Low-E複層ガラス
最低ランク(A)→ガスが入っていない Low-e複層ガラス
となります。
内窓の大きさで補助金が変わる
最後に、内窓の大きさで補助金が決まります。
内窓の大きさとは、高さでも横でもなく、全体の面積になります。
高さが2mを超える窓でも、横幅が小さければ、一番もらえる とはなりません。
すでに定義されていて、
大きな窓とは、縦横をかけた面積が、2.8㎡以上
中くらいの窓とは、1.6㎡〜2.8㎡
小さい窓とは、1.6㎡未満
の3種類で振り分けています。
内窓を取り付けるとこのくらい補助額がもらえます
実際に内窓代がいくらで、それに対する補助金の額がいくらになるのか、
計算してみます。
トイレにあるような小窓
窓サイズ:横幅780mm × 高さ970mm
このサイズの面積は、0.75㎡となり、小さい窓に当てはまります。
Low-eペアガラス(ガス無し) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が 49,000円(税込)
もらえる補助金が 23,000円
Low-eペアガラス(ガス有り) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が50,000円(税込)
もらえる補助金が 29,000円
真空ガラス「スペーシアクール」が入った内窓になると
内窓の商品代が68,000円(税込)
もらえる補助金が 48,000円
※工事代その他諸経費は含まれていません。
一般的な腰高窓
横幅1690mm. 高さ1170mm
このサイズの面積は、1.97㎡となり、中サイズの窓に当てはまります。
Low-eペアガラス(ガス無し) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が 67,000円(税込)
もらえる補助金が 36,000円
Low-eペアガラス(ガス有り) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が71,000円(税込)
もらえる補助金が 46,000円
真空ガラス「スペーシアクール」が入った内窓になると
内窓の商品代が127,000円(税込)
もらえる補助金が 76,000円
※工事代その他諸経費は含まれていません。
一般的な掃き出し窓
横幅1690mm. 高さ1830mm
このサイズの面積は、3.09㎡となり、一番大きいサイズの窓に当てはまります。
Low-eペアガラス(ガス無し) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が 139,000円(税込)
もらえる補助金が 52,000円
Low-eペアガラス(ガス有り) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が144,000円(税込)
もらえる補助金が 68,000円
真空ガラス「スペーシアクール」が入った内窓になると
内窓の商品代が217,000円(税込)
もらえる補助金が 112,000円
※工事代その他諸経費は含まれていないことと、写真のような和紙調のガラスを使う場合はまた割高になります。
ガラスが4枚ある大きな窓
横幅2600mm. 高さ2030mm
このサイズの面積は、5.27㎡となり、一番大きいサイズの窓に当てはまります。
Low-eペアガラス(ガス無し) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が 244,000円(税込)
もらえる補助金が 52,000円
Low-eペアガラス(ガス有り) が入った内窓を設置すると、
内窓の商品代が252,000円(税込)
もらえる補助金が 68,000円
真空ガラス「スペーシアクール」が入った内窓になると
内窓の商品代が375,000円(税込)
もらえる補助金が 112,000円
※工事代その他諸経費は含まれていないことご了承ください。
横幅が、9尺間口と言われる大きな窓であったり、2間と言われるような3mを超えるような窓であっても、
単純に”大きな窓”と括られるだけでなので、やはり補助率が低下するのは避けられません。
こういった大きな窓こそ、熱が逃げていくわけなので、
特大サイズ なるものを設定してもいいかもしれませんが、今年度もありません。